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商標の基礎知識

 3. 商標登録の必要性

1.自分の商品やサービスをライバルに真似されたくない。

  ― 商標登録していないA社の場合 ―

 缶ジュースを製造しているA社は、材料や製法にこだわって、とても美味しい缶ジュースを販売してきました。その結果、A社の缶ジュースは美味しいと評判になりました。もちろん、A社は、缶ジュースの缶として、A社の商標xが描かれた缶を使用してきました。ですから、缶ジュースの購入者は、コンビニエンスストアやスーパーなどで缶ジュースを購入するとき、商品棚に陳列されているたくさんの種類の缶ジュースの中から缶にA社の商標xが描かれている缶ジュースを選んで購入してくれます。
 あるとき、A社のライバル企業であるB社が、A社の商標xに似た商標Xが缶に描かれた缶ジュースを販売し始めました。その結果、缶ジュースの購入者の中には、A社の缶ジュースだと思ってB社の缶ジュースを購入する人も出てきました。これによって、A社は、缶ジュースの売り上げの激減という損害を受けました。  ですが、損害はそれだけではありませんでした。B社の缶ジュースの味は、A社の缶ジュースの味よりずっと落ちるものだったのです。したがって、A社の缶ジュースだと思ってB社の缶ジュースを購入した人たちの間で、A社の缶ジュースの味が落ちたという評判が広がってしまいました。A社は、努力して築き上げた業務上の信用を失ってしまいました。

 ライバルに真似されるという問題は、缶ジュースだけでなく、他の商品でも起こり得ます。もちろん、商品ではなく、サービスでも起こり得ます。
 商標登録によって商標権者になると、登録商標と同じ商標や似ている商標を他社が使用している場合に、侵害行為を差し止めたり、損害賠償を請求したりすることができるので、このような問題を防止することができます。


2.自分の商品やサービスを安心して提供したい。

  ― 商標登録していないC社の場合 ―

 レストランを経営しているC社は、看板や食器などに商標yを使用していました。ある日、登録商標Yの商標権者であるD社から、登録商標Yと似た商標yの使用を停止するよう警告書が届きました。
 C社は、仕方なく、長年使用してきた商標yの使用を止め、多額の費用をかけて看板や食器などを変更しました。

 意図せず他人の商標権を侵害するという問題は、レストランだけではなく、他のサービスでも起こり得ます。もちろん、サービスではなく、商品でも起こり得ます。
 商標登録によって商標権者になると、自分の登録商標を独占的に使用できるので、このような問題を防止することができます。




 では、商標権にはどのような効力があるのでしょうか?

   商標権の効力


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